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第5話 朝のおつとめ

ผู้เขียน: あるて
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-12-13 12:35:44

 わたしの朝は早い。

 まだみんなが眠っている時間に目を覚まして朝ごはんの支度。

 それに両親と姉たちのお弁当も一緒に作る。中学はまだ給食があるからいいけど、より姉とかの姉、それに両親は放っておくとコンビニ弁当やパンなんかで済まそうとする。それだと栄養が偏ってしまうのでわたしがお弁当を作ってしっかりと栄養管理をしてあげないといけないのだ。

 家族の健康を守るのもわたしの務めだ。

 まず最初に両親が起きてくる。少しでも安くて広い土地を手に入れるため、少し郊外に家を建ててしまったので通勤に時間がかかるようになってしまった両親は姉たちに比べるとどうしても早くから支度しないと間に合わない。

 先に用意してあった2人分の朝食をすませるとお母さんが毎朝欠かさないわたしとのハグをして、ゆっくりする間もなく出かけていってしまった。

 両親を見送ったあとは姉たちを起こす時間。

 うちの姉妹たちは誰も自分から起きてきてくれない。

 目覚ましをかければ起きられるだろうにひとりとして目覚ましをセットして眠る人がいない。

 彼女たちいわく、けたたましい音で不快に起こされるよりわたしに起こしてもらえる方が至福の目覚めを味わえるのだとか。なんだそりゃ。

 以前試しにこっそり小鳥のさえずりの目覚ましをより姉の部屋にセットしてあげたら翌日の朝には破壊されていた。

 爽やかな目覚めを迎えられるだろうと思ったのにちゅんちゅんというかわいらしい小鳥の鳴き声でさえ不快だったらしい。

 なんてこった。自立できるのか、この人たち。

 さぁ、まずは長女から起きてもらおうとより姉の部屋へ。

「おはよう、より姉。朝だよ~。起きて」

 至福の目覚めとまで言われればかける声も優しくなる。愛情をこめて極力柔らかい声を意識して耳元でささやくように起こしてあげる。

「むー」

「朝だよ。起きてってば~」

 至福の声で起こしてあげてるんだからすんなり起きてほしいもんだ。肩をゆさゆさしていると、より姉の目がうっすらと開いた。

 やっと起きたか。と思ったらおもむろにより姉の手が伸びてきた。

 何?と思う間もなく首の後ろにまで回った腕に捕獲され、布団の中に引きずり込もうとしてくる。力強いな!起きてるだろこれ!

「あとちょっとー。ゆきも一緒に寝よー」

「はーなーせー!バカなこと言ってないで早く起きなさいー!」

 体をちゃんと起こしてあげながら無理やり引きはがす。バリバリと音がしそうなくらい力を込めてわたしにしがみついているのをようやく引っぺがすと不満そうな声。

「ゆきのケチー。ついこないだまでお姉ちゃんにしがみついて寝てたくせにー」

「何年前の話してんの。いいから早く起きて。ごはん冷めちゃうよ」

 もそもそと布団から起き上がってくるさまはさながらゾンビのよう。それでもちゃんと起きてくれるのでご褒美に優しくおはようのハグをして次はかの姉の部屋に向かう。

 かの姉にも同じように優しい声でそっと体をゆすってあげる。

「かの姉~。おはよう、朝ですよ~」

「あ~ゆきちゃん。ウフフ、朝からゆきちゃんのかわいい声で起きることができてお姉ちゃんは幸せです。おはようございます~」

 かの姉は目覚めがいい。楽ちんだ。

「おはようのちゅ~して~」

 これさえなければ。

「なに言ってんの。はやく起きて」

「やだやだ~ちゅ~してくれないと起きられない~」

 それだけ話せるならもう起きてるでしょ。もうほんとに仕方のない。普通の姉弟ならちゅーの代わりにデコピンでもお見舞いしそうなものだけど、わたしも姉妹にはたいがい甘々だ。

 そっとおでこにかかった髪をかきわけてちゅっとする。ほんとに甘いなと思うけど、かの姉のこの駄々っ子モードは言うとおりにするまで終わらないと経験で知っているから仕方ない。ということにしておこう。

「今日もかわいいゆきちゃんの愛情たっぷりのキスで目覚めました~」

「愛情はたっぷりあるけどかの姉の場合半分脅迫みたいなもんじゃない。おはよう。ご飯できてるしお弁当も置いてあるからね」

 かの姉にもおはようのハグをして次に向かうはあか姉。

 これで半分済んだことになるんだけど、残る二人は強敵だ。

「あか姉~!朝~!起きなさ~い!」

 へんじがない。ただのしかばねのようだ。

 優しく起こしてあげたいけど声が小さいと全く起きてくれないので音量が大きくなってしまうのは不可抗力ってやつだ。いやマジでぴくりともしない。生きてる?

「あか姉~!起きてってば!」

 呼吸はしてるから生きてはいるけど、かなり強めにゆさぶっても全く起きる気配がない。あか姉の場合ちょっと力技に出ないと本当に起きてくれない。

 大地震が来て家が崩れても寝ていそうだから割とマジで心配になる。

 背中に手を回し抱きかかえるようにして上半身を起こす。起きてもいないのに先にハグをすることになってるけど、そのままベッドの上に座らせてガクガク揺らす。首がカックンカックンなるからむち打ちになるんじゃないかと思うけどここまでやってやっと目が開くんだからしょうがない。

「なに?」

「なにじゃないよ。朝だっての。おはよう」

「おはよう。ん、起きた」

 起きたなら自分の力で座ってください。いい加減腕が疲れてきたよ。少しの時間力が入らないのはハグを堪能してるんだろうなとは思うけど突き放してベッドに逆戻りさせるわけにもいかないのでわたしもしばらく抱きしめている。

「ほら、しゃきっとして」

 ようやく自力で起き上がるのを確認して、次はいよいよラスボス。

「ひより~朝だよ。起きなさ~い」

「うにゅ~……。あ、ゆきちゃんだ~。えへへ」

 まぁなんてだらしのない顔だこと。年頃の女の子がそんな顔しちゃいけません。

「ほら、朝ごはんもできてるし早く起きて」

「だっこ~」

 いつものこととはいえ朝から全開で甘えてくるな、この妹は。抱きかかえて上半身を起こしてあげる。コラコラ、しがみつくんじゃありません。

「ほら、これで起きられるでしょ」

「これじゃない~。ちゃんとだっこして布団から出して~」

 こやつ手加減なしだな。でもかわいい妹の頼みを断れないわたしもたいがいダメな兄だ。膝の下に腕を差し込んで背中に手を回しそっと持ち上げる。いわゆるお姫様抱っこ。

「ヌフフ~ゆきちゃん今日も優しい。大好き~」

「これでよろしいですか、お姫様」

「満足~。おはよ」

 ようやく目覚めたお姫様に朝の挨拶を返し、そっとおろしてちゃんと自分の足で立たせたまではいいのだけど腕は相変わらず首元にしがみついたまま。

「はなしなさ~い。これじゃ動けないよ」

「もうちょっとだけ~。ゆきちゃん成分補給中。今日もゆきちゃんいいにおい~」

 においをかぐな。

「よっし充電完了!陽愛は今日も元気です!」

 ようやく解放。気が済んだようで元気よく離れると着替えのためにクローゼットへと向かうひより。

「おはよう。じゃ先に下行ってるからね」

「うんおはよう!わたしもすぐ行くね」

 これにてミッションコンプリート。毎朝こんなことを繰り返してるってのもたいがいブラコンシスコン全開だなぁと思うけどこんな日常も幸せだからいいんです。

 やがてめいめいが朝の支度を終え、食卓へ。朝もみんなそろってから「いただきます」

 朝食が済むと中学よりは学校が遠いから先に出かけるより姉とかの姉にお弁当を渡してお見送り。それから洗い物を片付けてるあいだ、あか姉とひよりはテレビの朝の占いをチェック。

 今日はひよりの順位が良くなかったらしくテレビに向かってぶーぶー言ってる。

「それじゃそろそろ行こっか」

 今日は3人揃って登校。昨日はわたしが待ちきれなくて先に行っちゃったけど、基本的には揃って登校する。

「それじゃいってきます」

 もう家には誰もいないけど、あいさつは大事。あか姉とひよりもちゃんといってきますを言って並んで歩きだす。

 家を出て少し歩くとそこはもう通学路だから同じ制服を着た他の生徒もいるし、けっこう広めのバス道なので通勤中の人もたくさん歩いてる。

 わたしひとりでも視線を集めてしまうのに今日はさらに両横に美少女が2人いるんだからいつも以上に視線が集中してしまう。

 今日は電柱にぶつかる人を2人見かけた。みんな前見て歩いてね?

「そういえばゆきちゃん、今日からVtuberの配信始めるんでしょ?チャンネル名は何にするか決まってるの?」

 ひよりの言う通り今日からVtuber活動がいよいよスタートするのだけど、チャンネル名は両親姉妹誰にも教えていない。今日までに何度か質問されているけど毎回拒否しているのは単純に恥ずかしいから。

 姉妹たちからは当然のごとく批難ゴウゴウだけど、台本も用意していない生配信だけにテンションが上がってしまって何を口走ってしまうかわかったものではないので身内には見てほしくないのだ。よって今朝も当然のごとく拒否権行使。

「そんなのひどい!妹として兄の行動を監視する権利を要求する~!」

「姉としても権利を要求」

 そんな権利の保証は憲法には載っていないです。両サイドからなおもしつこく教えろと言われるが頑なに黙秘。

「恥ずかしいから聞かれても絶対教えない~。あと学校でもわたしが配信始めること誰にも言っちゃだめだよ」

 自分の歌がどれだけ通用するかも見てみたいし、身内や友人のひいき目なしに挑戦してみたいってのもある。

 いきなりバズるなんて甘い期待は持ってないし、わたしの歌を聞いて心が動いてくれた人が広めていってくれるのが一番望ましい。教えろコールをスルーしてるうちに15分ほどで学校に到着。ざんねん、タイムアウト。

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